名刺入れって要するに何なの
名刺入れを買った。
名刺入れって、要するにあの、なんか名前とか連絡先が書いてある紙切れをしまうための専用のケースなのであって、イメージ的なニッチ具合でいえばiPhoneケースとかよりも数段上だと思うんだけど、普通のオトナはみんな持ってるというのがなんか不思議だし、なんだか奇跡的な普及率と思う。
いや別にいいんじゃないの、名刺なんか。ポケットにしまえば。と、思うのだけど、どうもそれは失礼だという話らしい。
名刺。よくよく考えると実に儀式じみた風習で、あのなんか名刺交換したあと、打ち合わせ中は机の上に並べるとか、一番偉い人のやつは、自分の名刺入れを台座にしてそのうえに乗っけるとか、なんかもう完全に見立ててるわけだ。あの紙切れを。何かに。
そうだよ。なんかいただろう、ほらあの新しく長野県知事に就任した田中康夫からもらった名刺をいきなり本人の目の前で折り曲げた謎の県職員。あれなんかも、もう誰が見ても喧嘩売ってんだろうなというのがわかったけど、ああいうメタファーがワークするっていうのも、ある種、名刺はその人の分身みたいな共通認識があるということのひとつの証拠だろうと思う。
自分は、なんかしょっちゅうなくすので。あの名刺いれというやつを。
だってなんか多いと思うのだ。財布に小銭いれに携帯にIDケースにキーホルダーに名刺いれにって。そんなにたくさん管理できないわけです。
だから、開き直って、しばらく持っていなかった。それでなんか適当にクリアファイルとかポケットとかカバンとかも活用してホイホイと捌いていた。
それで何か困ったかというと、何も困ってない。
しかし今回、ふいに名刺入れを買ってしまった。Amazonで。
なんでなんでしょうか。
なんか、夏も終わって、ちょっとちゃんとしようかなと思っちゃったんだよなあ。
だからまあ、礼節アイテムというわけだ。名刺入れ。
銭湯における前隠し用ハンドタオルと同カテゴリー。
何か違う気もする。