よそ行きの日記

日記です。オチなし。意味なし。待てど海路の日和なし。

燃えろ日経新聞 倍返しだ!

午後7時頃、ようやく最後の会議を終えた私が、デスクに戻り今日の会議内容をまとめていると、周囲がにわかにざわつきはじめた。何やら東京エレクトロンがどうのと言っているようだ。会話の内容はよく聞こえないが、雰囲気からしてM&Aの発表のように思える。

東京エレクトロンには別に縁もゆかりもないが、昔、少しだけ株に興味を持ち始めた頃、値嵩ハイテク株の代表格として村田製作所やロームと共によくその名前を聞いた。日本の半導体産業をリードするハイテク企業と聞いて、高校生男子の心が踊らないはずがない。何だか名前の響きからしても、鉄腕アトムとか、人造人間キカイダーとか、どことなくそういう、レトロで夢のある雰囲気を漂わせている。東京エレクトロン

その東京エレクトロンが、見ればどうやらアプライドマテリアルだかに事実上買収される話のようだった。業界的に見た、ことの重大さはよくわからないが、東京エレクトロン時価総額は8000億円。みのもんたもビックリなビッグディールであることは疑いようもなかった。資本市場の末端を汚す人間として、資本のダイナミズムにしばし感じ入る。全然関係ないんだが。

しかし驚いたのは、これほどのビッグディールが、事前に一切噂にならず、いきなり会社の正式なプレスリリーで世に出たことだ。どうでもいいんだが。

どうでもいいんだが、こういうニュースが出るときって、大体日経の朝刊でドーンと出て、でも朝のうちはまだ会社側は決定した事実はありませんと一旦否定するも、夕方頃になるとやっぱり本当でしたーっと正式発表する流れが通例である。

この流れになんの意味があるのかは正直よくわからないところなのだけれど、新聞記者がこの流れを作ることに異常なほどに情熱を燃やしていることは知っている。なんかそういう、リークみたいな現場に居合わせたことがあるので。

記者は、本当に他紙よりも1分1秒でもはやく記事を上げるために何かありそうな会社の担当者にべったり貼り付き、会社は、あまり自社のことを悪しように書かれたくないがために情報を提供する。そんな関係で成り立っている。記者は、もうほんとに会社の喫煙所とかに普通にいるのだ。朝から晩まで。タバコ吸わないのに。なんだかすごい仕事だなと、そう思ったわけだ。

今回の件は、事前の報道なんか全然なかったし、日経の最初の記事は東証の適時開示が出て30分後だったので、本当になにも聞いていなかったんだろう。

これはもう、相当やられたって感じなんじゃなかろうか。よくわからないけど。

てめえ何を聞いてたんだって言って。激おこで怒鳴られる担当記者が目に浮かぶではないか。

誰かがどこかでめっちゃ怒られてると思うと、なんか、明日も頑張ろうって思える気がしないか。