よそ行きの日記

日記です。オチなし。意味なし。待てど海路の日和なし。

地主とかいう人種

本日はいわゆるM&Aの話で、対象会社の株主さんと面談。

で、その株主が地主だった。変な表現だけど。

まあ、言うなれば、「株主」というのは単に株を持ってる人と言う意味で、選択可能な「職業」の話なんだけど、「地主」っていうのはもうちょっと性根の部分、ある種「人種」の話なのである。つまり、その店員(カレー屋)がインド人だった、みたいなニュアンスだな。上の変な表現は。

自分はどっちかと言うと株まわりなので、あまり不動産がどうこうという話はしないのだけど、それでも極まれに、地主という人種と相対する。

あれは不思議な人種だと思う。

彼らはつまり、生まれた時から地主であることが、むしろ地主たる由縁なのであり、生まれて一度も働いたことがないとか、ザラなのだ。それでいて普通以上に収入があるものだから、普通に結婚して、子供もいて、という生活をしている。子供も当然地主だ。それで親地主と子地主でレストランで食事をしたり、仲良く旅行に行ったりして楽しく暮らしている。ちょっと我々の生活とは違い過ぎて、よく意味が分からないわけである。

夏目漱石の小説によく出てくる高等遊民を三世代にわたって煮詰めた感じとでも言おうか。浮世から隔絶された幻想的な雰囲気。金銭的余裕から生まれる圧倒的鷹揚さ。ただその一方にある自分の財産を守ることに対する臆病なまでの敏感さ。それと税金を払わないためだけに如何なく発揮されるマメさ。あらゆる地主はこのあたりの要素が突出していて、大体3メートルくらいまで近づけば見た目でもわかる。

今日あった人も、もう見るからに地主だった。一見すると、寝ているようにも見える。特徴。

曰く、もともと対象会社には単に土地を貸していたところ、成り行きでうっかり株も持つことになってしまったが、そろそろ株は売って、普通の地主に戻りたいのだそうだ。

なんだそれと思って。キャンディーズかよ。仕事しろ!(嫉み)