7日休んだだけでPCのログインパスワードを忘れた
昨日、夏期休暇明けで7日ぶりに出社した私を待っていたのは、実に衝撃の事件であった。
私が、PCのログインパスワードを完全に忘れ去っていたのである。
そう。私だ。私を待っていたのは、私だったのだ。敵はいつでも自らの内にある。最大のライバルは自分自身。休み明けに訪れる衝撃の事件も、要は自分自身なのだ。
PCのログインパスワード。当然毎朝出社したときには入力するし、少々席を離れた後にもセキュリティの関係上、都度入力するものであって、はっきり言って、私が入力するパスワードというパスワード、数多のパスワードの中にあって、おそらくもっとも入力頻度の高いパスワードだ。それがまったく出てこないわけだから。たった7日間で。一体何を覚えてんのと。逆に。自分の名前も忘れちゃうんじゃないのという不安も頭をよぎるわけだ。
言い訳をさせてもらえるのであれば、私の休み中にPCの交換があったというのはある。いや、パスワードは一緒なのだけれども。だったら言い訳にならないだろうか。ただ、OSがXPから7になったので、ログイン画面の風合いが少し変わったのだよ。それと、キーボードの色ね。
今思えば、たぶん私はパスワードをキータッチのときの指を置く位置とか、動かす順番とか、なんか景色とか?多分にそういう周辺的な雰囲気込みで覚えていたのだと思う。いや、従って、覚えていたというのは正確ではないだろう。何と言うのだろうか。大脳に記憶としてとどめることなく、ただ同じ指の動きを再現する様。慣れか?うん、そうだ。私は、ログインパスワードを数字として覚えることなく、ただ単にログインし慣れていたのだ。
しかし恐ろしい話である。
同種の話というのは、きっといっぱいあるのだと思う。即ち、今はただやり慣れているから出来ているだけで、ちゃんと覚えているわけではない事柄。
そういう事柄が年齢を重ねるに連れて自分の内に残りづらくなり、昔話しかできない老人ができあがるんだと思う。なんということだ。もうあと一歩じゃないか。
今回の教訓を踏まえ、パスワードはクラウドに書き留めることにした。クラウド。何のことはない。記憶補助用品である。介護給付費の適用を希望する。