よそ行きの日記

日記です。オチなし。意味なし。待てど海路の日和なし。

半沢ワナビーで1億総昼ドラ化

TVドラマ「半沢直樹」の視聴率が29%で、不調が続くドラマ界としては会心の大ヒットだそうで。

あんまり話題なので、自分もつい先週から見始めた。内容は銀行員(バンカーとも言う)の社内政治が焦点。計画倒産に加担することで袖の下を貰っていたメガバンクの支店長。その責任を擦り付けられた主人公。主人公を追放すべく、支店長による理不尽な嫌がらせが相次ぐも、支店長の悪事の証拠をつかんだ主人公は「10倍返し」で報復することを決意する。なんかこの「10倍返し」っていうのが決め台詞。

銀行のセキュリティやリスク管理のレベルがなんとなく昭和の香りだが、それはきっと原作者が昭和の銀行員だったからだろうと推測。


なお、基本的に暇なのと、原作者が直木賞作家ということだったので、原作もチラリ。

主人公の妻のキャラが全然違ったのが、若干印象に残る。ドラマの方が、勧善懲悪を際立たせる設計なのか、それとも単なる大人の事情か、善人ぶりが強く出ていて、人間味に乏しい。上戸彩なんだけど。基本的に自分本位のクソマッチョしか出てこない原作に対して、ドラマでは上戸彩だけチト浮いてる感じ。

計画倒産した社長の愛人も、何か微妙に夢見る前向きな女性にキャラ変。まあ、壇蜜なんだけど。上戸彩が主人公に"気づき"を与え、それをベースに主人公が壇蜜に絡むあたりは、完全ドラマオリジナル。まあ、その辺トレンディドラマのエッセンスはテレビ局の真骨頂と言う感じもしたが。


なんで流行っているのか。というのは当然よくわからないものだけど。

ただなんとなく、主人公半沢による悪徳支店長成敗(なお、私刑)が水戸黄門風の勧善懲悪を演出し、視聴者にカタルシスを提供みたいな話もあるものの、どちらかというと自分は、日本を代表するスーパーエリート集団が歪で非合理、それこそ理不尽の塊みたいなドロドロした人間関係に埋没している様そのものが、庶民感情をくすぐっているような気もした。くすぐられているような感触があった、というべきか。

で、そういうのって昼ドラの役割ではなかったのか、などとちょっと思ったのである。

昼ドラ的には実際はもうひと押し、半沢の歪んだ正義が大暴走、借金地獄に凄絶DVでまさかの泥沼離婚くらいは期待したいところか。

個人的には、仕事で取引先の財務みるときに徒に粉飾を疑ってみたりとかから、密かにはじめている。

ドラマチック人生である(何が)